2012年7月10日火曜日

(第44号)『軍事のプロが見た米沖縄海兵隊の本当のミッション』

 

 最近も、米沖縄海兵隊へのオスプレイ(垂直離着陸機)の配備問題が騒がしい。

同地に駐屯する米海兵隊の国際的意義については、これまでにも一般論としては、随分議論されてきたが、この国においては、

「軍事・安全保障のプロからの、専門的なきっちりした説明・説得」

というのが、なかなかマスコミの表舞台に登場しにくいので、国民にきちんとした説明がなされることが少なく、世論の啓蒙・喚起が後手後手にまわることが、しばしばある。

そこで今回は、

「米沖縄海兵隊の存在理由」

について、従来より踏み込んだプロの議論をご紹介したいと思う。


        本当の目的は、中国の急襲部隊の台北制圧抑止

  
 沖縄駐留のアメリカ海兵隊(緊急時即応戦力)の存在が、単に日本の国土の防衛に止まらず、韓国の防衛、台湾の防衛の要(かなめ)になっていることは、最近漸く(ようやく)、少しずつではあるが、人々に理解され始めているように思う。

この点について、もう一歩踏み込んで、実際の戦争場面を想定(シミュレーション)して、

「なせ沖縄駐留海兵隊の存在が必要不可欠なのか」

を明らかにしたい。



 中国政府の現下における「当面の外交軍事戦略の第一目標」が

「台湾の併合」(平和裏、戦争裏を問わず)であることは、おそらく論を待たないだろう。

(「ちょっと待った、異議がある」という方は、かなり平和ボケした御人だ。)



 そのため、

「台湾海峡をはさんだ福建省には、二百基以上の短距離ミサイルが配備されていて、台湾の主要都市に照準を合わせている」

とか、

「大量の上陸用艦船を、中国海軍が急ピッチで整備中である」

という議論は、よくなされるところではある。

これらの情報は、

「台湾政府の意図を屈伏させる」

という外交上の目的からは、十分理解できるところではあるが、実際の戦闘場面(軍事的制圧)の局面を想定すると、あまり現実的な選択肢ではない。

というのは、遠路はるばるアメリカ軍の本格的救援部隊が来攻した時点で、少なくとも、現時点での中国海空軍の実力では、米軍に歯が立たないからである。(将来は保証の限りではない。)

従って、米軍が本格的な反攻に出る前に、或いは国際社会の介入が始まる前に、速戦即決で勝負を決してしまい、

「アメリカに「台湾奪還」の意図を早期に断念させる」

というのが、「人民解放軍が描くシナリオの中で最も優先順位が高い」と言われている。

 これにより、

「現実に最も起こり得る事態」

として、専門家が想定しているのは、

「開戦劈頭(へきとう)の航空・ミサイル攻撃で台湾の重要インフラ(通信等)を無力化し次第(1時間以内)、

数個師団程度の空挺部隊(パラシュート/強襲着陸部隊)に台湾国家の中枢部を急襲させて、国家の頭脳部分を制圧・排除して、台湾を一挙に支配下に収める」

というもので、

「首切り(斬首)戦略」

と、しっかり命名されている。

 もちろん、台湾側も十分その想定は立てていて、首都の憲兵部隊等を強化しているのではあるが、所詮は多勢に無勢であるので、実際にこのような事態に立ち向かえるのは、

「陸海空三軍すべての要素を兼ね備え、24時間即応態勢で展開されている沖縄駐留のアメリカ海兵隊」

以外にはあり得ない。

実はこれが、米沖縄海兵隊の「真なるミッション」なのである。



「ファイナル・ジャッジメント」のシナリオ瓜二つ!



 中国の「首切り戦略」の主力である、福建省の第15空挺部隊(兵力3万五千人)に比べると、沖縄駐留の米海兵隊は、兵力数こそ少ないが、

このような局地戦での特殊部隊との戦いでは、地形の利用、住民の協力等により、数倍の敵に対処することが可能であり、そもそも、重装備の米軍(主力部隊)の来援まで持ちこたえるのが目的なので、

沖縄の海兵隊で、十分強力な抑止力になっているのである。

逆に言うと、

「沖縄米海兵隊を撤退させる」

ことは、純軍事的には、

「台湾を放棄する」

ことにほぼ等しいのである。

と同時に、この台湾の首都・台北(タイペイ)制圧のシナリオと、映画「ファイナル・ジャッジメント」に出てきた「日本の首都・東京制圧のシナリオ」が、瓜二つ(うりふたつ)であることに気がつかれた方も多いだろう。



 沖縄のマスコミ、一部行政関係者も一緒になって、

「沖縄からの米海兵隊撤退」

の運動が加速されているという事態は、純軍事的に言えば、

「後方撹乱(かくらん)部隊のマスコミ・行政府への工作が奏功して、戦力の低下をきたしている」

ということであり、これは"軍事学の観点"からすれば、

「既に戦争状態に突入している」

ことを意味している。

(少なくとも、人民解放軍が得意としたゲリラ戦・非正規戦の文脈においては、100%そうである。)

「中国政府(軍)の工作員が沖縄に多数潜入している」

ことは、もはや「社会常識」と言ってよく、こういう事実を政府・マスコミは、きちんと国民に知らせる義務がある。

「オスプレイ配備反対」の音頭を取ることは、実は、

「台湾の併合(植民地化)」

に手を貸す行為にほかならず、それはそのまま、

「明日は我が身」

明日は東京)

を意味していることにほかならない。

一見美しい「住民運動」のように見えるものは、実は、

「人(工作員)と資金が投入された"戦争工作"の裏返しに過ぎないのだ」

という、国際社会の厳しい現実を、そろそろ白日の下にはっきりさせなけれればならない時期が来ている。(了)



[参考文献]「海国防衛ジャーナル」7月6日号


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